今日は生憎の小雨がぱらつくお天気でしたが、上野の不忍池近くにある旧岩崎庭園に行って来ました
旧岩崎庭園とは、明治29年(1896)に完成した、三菱創設者・岩崎家の本邸のある庭園のことです。
ここは元々は越後高田藩江戸屋敷でしたが、舞鶴藩知事邸などを経て、岩崎邸本邸へと変遷しました。往時は、1万5000坪と言う広大な敷地に20棟もの建物が並んでいたそうです。
岩崎家は海運業で財をなした、言わずと知れた三菱の創設者一族ですが、施主の岩崎久弥は、明治・大正・昭和前期の実業家で、三菱財閥の3代目であり、岩崎弥太郎の長男です。
彼は慶応大学・ペンシルベニア大を卒業し、三菱合資を設立し社長に就任。後に、甥の岩崎小弥太にその席を譲りました。造船や鉱業などの他、三菱製紙・麒麟麦酒など傍系会社も経営。六義園や清澄庭園などの名園を東京市に寄贈したことでも有名です。
また、この邸を設計したジョサイア・コンドルは日本政府に招かれて、現・東京大学工学部建築学科の初代教授となった人。教え子には東京駅の建築で知られる辰野金吾や、赤坂離宮を設計した片山東熊など、そうそうたる建築家がいる日本の本格的な西欧式建築の父とも言える人です。
やはり、良いものはどれほど時間を経ても、その価値を失わないものですねぇ?